安倍晋三回顧録の面白さは、引退後10年とかに書かれたものでなく、ついこの間の出来事への質問に対する安倍氏の述懐なので、現在も引き摺っている問題への言及もあり、現在の政治の動きを理解するのに極めて役立つものと思う。
安倍氏ほど積極的に外交に取り組んだ首相はいない。世界のあらゆる要人と会談し日本の立場と自分の考えを伝えている。
第6章　海外首脳たちのこと「オバマ、トランプ、メルケル、習近平、プーチン」が面白い。
オバマは、安倍首相が積極的にロシアに接近することを嫌った。トランプはそうではなく、プーチンに会ったら、会談の内容を教えてくれ、といったという。トランプはアメリカ・ファーストを貫きつつも、「この政策で大丈夫だろうか」と不安になることがあったのだと思う。そういう時、安倍首相の意見を聞こうとして電話してきたということです。
そのほかにも中国の「一帯一路」とAIIB構想の問題など興味深い話があります。