cho-kai-san811のブログ

連れ合いを失った老人のたわごとです。心機一転何らかの生きがいを見つけて前向きに生きたいと思っています。

対流圏で気温マイナス111.2度

ニューズウィーク4月5日のネット記事によると、2018年12月19日、米国地球観測衛星NOAA-20に搭載された可視赤外撮像機放射計(VIIRS)は、太平洋南西部ナウル島から南400KMの上空にある雲から観測史上最低の気温マイナス111.2度を観測したという。この記事は英国の国立地球観測センター(NCEO)の研究チームが2021年3月21日に学術雑誌(ジオフィカル・リサーチ・レターズ)に発表したものである。それによると観測された雲の雲頂高度は20500メートルに達したという。


私の航空気象知識では、対流圏と成層圏の圏界面(日本付近では高度約11000メートル)は気温マイナス55度でそれ以上ほぼ一定だと思っていた。むかし実際に訓練飛行していたのは成層圏の下部まで(せいぜい15000メートル以下)だったが、たまにズーム飛行によって20000メートルくらいまで上昇することはあった。一般に、夏に積乱雲が猛烈に発達した場合でも積乱雲の雲頂は15000メートルを超えることはなかった。しかし今回、マイナス111.2度が観測されたということは、対流圏が部分的に上昇したことを意味する。対流圏内では高度の上昇にしたがって気温の逓減率通りに気温が低下するからである。気温の逓減率は1000メートルにつき約2度である。高度11000メートルで気温マイナス55度であれば20500メートルではマイナス74度のはずである。積乱雲の内部は、雹を含んだ猛烈な気流の上昇下降があり、気温の定常的な逓減率が適用されないのであろうか。このような物理現象の詳しい解析を知りたいと思う。


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