この戦争は、あらゆるメディアを総動員した情報戦争のようだ。東西でフェークニュースが飛び交っている。この戦争を「フェークニュース戦争」と名付けてもいいくらいだ。しかし軍事に関わる肝心な部分は公表されていない。
この戦争では、まず最初にロシアが進攻したので、日本国憲法第9条の精神に照らせば、ロシアが悪い。日本人の大多数の意見はそうであろう。
しかし、溢れるフェークニュースの中で何を信じるかによって、この戦争に対する見方が大きく変わってくる。ロシアの肩を持つ人もいる。
両国に直接関わりがない個々人は、どのニュースを信じようと勝手だが、利害関係が絡む個人や団体（国家）の場合は、信じるニュースを選択せざるを得ないのは仕方ないことだ。西側に立つ日本は、西側の示す方向に従わざるを得ない。
もし万一岸田首相が個人的であっても「ロシアが正しい」などと言ったら、米国をはじめ西側から非難されるどころか報復を受けるであろう。
国際政治の冷酷な現実である。日本のように武力の裏付けのない国は、目立たないよう発言を控えねばならないのだ。林外務大臣がゼレンスキー大統領の演説の際、大あくびをしたのは、彼の本音を示すささやかな抵抗であろうか。
今後、世界の枠組みがどう変化するか、今までのように米国の庇護に依存して日本の発展生存が図れるのか、英知を結集する時期が来ているようにと思う。大原則は、日本の自由と民主主義を守ることだ。