cho-kai-san811のブログ

連れ合いを失った老人のたわごとです。心機一転何らかの生きがいを見つけて前向きに生きたいと思っています。

安倍晋三回顧録ー7

内閣法制局長官を交代させ、集団的自衛権の憲法解釈変更へ


問:参院選後の2013年6月、内閣法制局長官に小松一郎駐仏大使を充てました。集団的自衛権の憲法解釈変更の布石でしたが、法制局長官人事は、首相に返り咲いた当初から考えていたのでしょうか?


答:いや、前任の山本庸幸法制局長官とは、憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を可能にする話を随分としたのです。でも、堅かった。集団的自衛権は国連憲章第51条で加盟国に認められています。日本も国連加盟国ですから「国際法上、日本にも権利がある」と私が言っても、山本さんは、「憲法上認められません」と主張を変えず、ずっとすれ違いでした。ならば代わってもらうしかない、と思いました。12年の衆院選で、自民党は、行使容認を公約していましたから。法制局長官人事は、人の好き嫌いではなく、政策目標として国民に選挙で訴えたことを実現するためだったと言えます。
 私は、小泉純一郎内閣のときに集団的自衛権の行使容認を何とか実現できないかと思っていたのです。小泉首相に、05年の郵政民営化関連法が成立した後、残り任期の最後の一年で行使容認をやりましょう、と言ったら、小泉さんは「君の時にやれよ」と仰った。
時間的な余裕はあったのですが、小泉さんは郵政民営化が終わったら、後はゆっくりしたい、という感じでした。「あしたのジョー」のラストシーンで、ライバルと戦い終えたジョーが真っ白くなっちゃった状況と同じです。
 それでも当時、官邸の官房長官室で、私と外交評論家の岡崎久彦さん、外務省国際法局長だった小松さんと何度か勉強会をやったのです。集団的自衛権を行使できない範囲は確かにあるが、限定的ならば許容される、という議論をしていました。14年に閣議決定した限定的な行使容認の骨格みたいな話です。小松さんは国際法の専門家で、確固たる信念があった。小松さんならば国会答弁を乗り切れると思い、交代を決めたのです。云々


この部分は安倍晋三回顧録の中心だと思う。