中国の学術論文「ゆで卵を雛に戻す実験に成功」
4月27日の中国新華社通信は、最近中国の学術雑誌「写真地理」(注:日本語の写真とは関係なく「地理学」の意味)が「鶏の雛孵化実験報告」と題する論文を掲載し、話題を呼んでいると報じた。
この論文によると、春霖職業訓練学校(河南省鄭州市)の教師と生徒(郭平と白衛雲)は、「超心理的エネルギー法」を用いて、ゆで卵を生卵に変え、生卵を雛に孵化させる実験に40回成功したという。
なんかオウム真理教に似ていますね。
この雑誌は吉林省輿林報刊発展有限責任公司が発行する国家新興地理綜合類専業学術理論誌で毎週発行されている。
しかし内容が荒唐無稽なので、新華社通信が調査を開始し、28日朝のNHKBS海外ニュース(中国中央テレビ)によると、現在同誌は発行一時差し止めになっているようです。
なぜ新華社通信が調査を開始したのか。それは中国新華社通信が中国政府直属の行政機関で、外国通信社を含め報道全般にわたって監視監督する権限を有するからです。
強いて日本に例えれば、NHKを郵政省直属にして、日本に所在する外国通信社を含め、すべての報道記事をNHKに監視監督させるようなものです。
北京で見られるNHKニュース番組が時々画面が真っ黒になるのはそのためです。
新華社通信はこの雑誌の次の点に疑問を抱き、調査を開始したということです。
疑問1:「写真地理」誌は政府の許可を得た正規の刊行物か。
疑問2:運営は正しく行われているか。
疑問3:経費の支払いはどうなっているか。
疑問4:論文が掲載されるとどのような利益があるか。
調査の結果はいずれ人民日報などに公表されると思いますが、日本の留学生水増し留学に似ているようです。
今日の中国評論家石平氏のユーチューブ動画によると、雑誌は毎週発行され、合計すると年間12000通ほどの論文が掲載されるという。年間50週とすると、1冊あたり240通の論文が掲載される計算になります。論文掲載料金は1通あたり750元だそうで、毎週180000元、日本円で270万円の収益になる計算です。
この雑誌の裏表紙の広告には、この雑誌に論文が掲載されると、多くの人の目に留まり、勤務成績評価、役職のアップ、就職などに役立つと書かれています。
それにしてもこれは学術論文と言えるでしょうか?お金儲けの為なら何でも許される中国らしいとは言えます。