cho-kai-san811のブログ

連れ合いを失った老人のたわごとです。心機一転何らかの生きがいを見つけて前向きに生きたいと思っています。

遠藤周作の遺稿「影に対して」

昨年、遠藤周作(1923-1996)の遺稿「影に対して」が発見されたというニュースを知った。この遺稿は長崎市遠藤周作文学館に寄託された資料の中から2020年6月26日に発見されたものである。執筆は、内容から見て1963年3月以降と目された。

その後新潮社が編集し昨年10月出版にこぎつけた。遠藤文学には興味があったので早速図書館に貸し出しを申し込んだがすでに10人以上の順番待ちになっていた。やっと今日図書館から取り置きの連絡があったので早速借り出し、一気に読んだ。遠藤周作はいわゆる売れっ子作家で題材が分かりやすく読んでいても疲れない。幼少期の複雑な家庭環境にまつわる話や、キリスト教に入信したのにキリスト教に疑問を感じ、それを題材にした小説がベストセラーになったりした。幼少時から母への素直な愛情表現ができなかった環境にあったことが想像される小説があり、遺稿小説「影に対して」はその集大成的な内容になっている。時代背景も戦前から戦後にかけて、場所も大連、神戸、東京と変化し、中学生くらいの教材としては最適であると思った。



倍賞千恵子 かあさんの歌