今日の古文書を読む会
古文書を読む会は高齢者が多く20人近く集まってもオリンピックの話題はほとんどない。しかし地元相模原の歴史談義が始まると議論が終わらなくなる。今日のテキストは恒例の地元の旧家に伝わる手紙の解読である。慶応年間から明治初年にかけての商売に関する手紙である。内容は現代の商取引にも共通する。現代と著しく異なるところは、やり取りする手紙が候文で文章に無用な美辞麗句が多いことである。むかし外国人と商取引した際に、翻訳家が日本語の文章を翻訳すると極端に短くなったので、外国人から全部翻訳するよう求められたなどの逸話がある。
「解読文」
口演
手紙を以て啓上仕り候 漸々暖気に
相成候得共、御家内様方益
御万福被成御座、珍重之御義二
奉存候、然者先達而者、御世話
さまに相成、忝奉存候、其砌り
御対談申上候松苗今日差上申候
処左に
一 松苗弐千五百本 両に三千本かえ 居払い
代 金三分ト銀五疋 駄ちん船ちん江銀拾匁
都合金一両也
右之通り差上申候、御改メ御受
取可被下候、代金之義者此馬士二
御渡し可被下候、植付之節、根の
かわかぬよふ御取斗イ可被下候
跡苗木御入用向御座候ハバ御申被越
可被下候、右申上度、用事而已、如
斯二御座候 早々已上
未二月廿四日