cho-kai-san811のブログ

連れ合いを失った老人のたわごとです。心機一転何らかの生きがいを見つけて前向きに生きたいと思っています。

ウクライナ上空の制空権

ウクライナのゼレンスキー大統領はNATOに戦闘機の供与を求めました。ウクライナ上空の制空権をロシアに握られていると、ウクライナ地上軍の行動の自由が阻害されてしまいますしロシア機による航空攻撃も容易です。
ウクライナの窮状は当然理解できるのですが、問題が大きすぎます。NATOの戦闘機はウクライナ領空に入れないので、ウクライナは自国のパイロットが操縦できる航空機を求めることになります。いま可能性があるのは旧ソ連(ロシア)製のMIG-29戦闘爆撃機でポーランドが27機運用しています。しかし手続き上の問題のほかに、ウクライナがMIG-29を獲得し実際に運用するためには準備期間が必要です。自動車の運転とはわけが違います。戦闘機を飛ばすためには整備員を含む支援要員が必要です。これはチーム作業なので人員をかき集めればできるということではありません。事前訓練も不可欠です。ウクライナ空軍の現状はどうなのか、飛行場はあるのか、MIG-29を運用できるグループ(対空レーダー部隊を含む指揮組織)は存在しているのか、など問題山積です。
米国の思惑は、ポーランドが独自にウクライナを支援して呉れればいいな、と思っているふしがあります。現在のポーランドの姿勢は、自国のMIG-29は西ドイツにある米軍のラムステイン基地に運ぶので、あとは米軍が自由にお使い下さいとの姿勢です。ロシアはポーランドを敵対国とみなす、と脅しています。ウクライナにどうやって運ぶのかも問題です。米国は現在のポーランドの姿勢を拒否しています。全体の流れを見ると、軍事的合理性に全く欠けています。NATOが自ら血を流す覚悟がなければ、この件でウクライナを満足させることはできません。米国がロシアに対して、ポーランドが勝手にやったことだとの言い訳を考えているのでしたら、米国の将来は暗いです。日本も覚悟を決めねばなりません。プーチンはNATOの対応を観察しています。経済制裁だけでロシアが引っ込むとは思えません。