cho-kai-san811のブログ

連れ合いを失った老人のたわごとです。心機一転何らかの生きがいを見つけて前向きに生きたいと思っています。

国外逃亡した旧ソ連軍戦闘機

1976年(昭和51年)旧ソ連軍パイロットが当時新鋭戦闘機と言われたMIG-25を操縦して北海道函館空港に着陸した。パイロットの名前はベレンコ、階級は中尉だった。彼は日本に逃亡した後、米国に亡命した。彼が最近死亡したとのニュースを聞いた。
当時私は36歳、空自F-104戦闘機のパイロットで沖縄にいた。当時TU-16やTU-95などソ連の爆撃機にはしばしば上空でお目にかかるが、戦闘機に出会ったことはなかった。米軍パイロットが我々空自パイロットに、秘密の新鋭機を入手出来たので「おめでとう」と言ったとか。空自パイロットでも全員が近くで見れたわけではなかった。代表者だけ見学が許されたのだ。ベレンコ中尉を尋問した人の話しやMIG-25を実際に見てきた人の話は聞いた。当然だが米軍も当時のソ連の航空技術を知りたがった。日本の航空技術者は優秀なのでMIG-25をバラバラに分解して金属材料は何が使用されているか探った。おそらく骨の髄までしゃぶったのだろう。エンジンも試運転を繰り返し、性能を探った。
最終的には分解した状態で茨城県の港からソ連に返還したのだが、正確な部品リストを作成した上で返還したと聞いた。ネジの1本も失わず返還したということだ。オイルや燃料も。
ベレンコ中尉の名前を聞くと当時のことを思い出す。