cho-kai-san811のブログ

連れ合いを失った老人のたわごとです。心機一転何らかの生きがいを見つけて前向きに生きたいと思っています。

航空管制官からの指示を勘違い

以下は、今日の昼の日テレニュースで報道された内容です。
「おととし7月、那覇空港でアシアナ航空機が許可なく滑走路に入り、着陸しようとした別の航空機が着陸をやり直したトラブルについて、国の運輸安全委員会は機長が管制官からの指示を勘違いした可能性が高いとする報告書を公表しました。
これは、おととし7月、那覇空港でアシアナ航空機が管制官の許可を得ないまま滑走路に入り、着陸しようと近づいていた日本トランスオーシャン航空機が着陸をやり直したものです。
運輸安全委員会の調査によりますと当時、管制官は滑走路手前での待機を指示していましたが、アシアナ航空機の機長が滑走路に入って待機するよう指示をうけたと勘違いした可能性が高いということです。
また、社の規定にある管制からの指示の相互確認を機長と副機長が行わなかったため、勘違いが修正されなかったと考えられるとしています。」以上テレビ報道です。


こんな単純ミスをパイロットがするものだろうか、と思われるかもしれませんが、離発着機の多い空港でかつ離陸後の手順が複雑な空港の場合は、パイロットは離陸後の手順の内容に注意が集中し、滑走路の手前で停止すべきものを、滑走路に入ってよいとの許可があったと勘違いすることがあります。当然、パイロットは不確かな場合は管制官に再確認する必要があります。恥ずかしいことではありません。
パイロットは管制官の指示を必ず復唱するので復唱した内容には間違いなく従うのですが、管制官が指示しなかった(何も言わなかった)部分が問題です。例えば、管制官が地上滑走の許可を出した場合でも、航空機が滑走路に入ってよいとの許可は含まれていません。したがってパイロットは滑走路の手前で一旦停止し、管制官からの滑走路への進入許可を待たねばなりません。那覇空港の場合は滑走路の手前で停止中に、管制官から離陸後の上昇の方法について管制指示が出ることが多く、パイロットはそれを復唱しますが、その管制指示には滑走路に入ってよいとの許可は含まれていません。ここがパイロットが滑走路への進入許可がでたものと勘違いする部分なのです。那覇空港は航空交通量が多いので、滑走路手前で待たされる時間が長い場合があり、パイロットはいらいらして待っているところに、離陸後の上昇に関する管制指示が来ると、滑走路に入ってよいとの許可も同時に出たものと勘違いするのです。また滑走路への進入許可が出ても、離陸してよいとの許可は出ていません。ここでも勘違いして許可なく離陸する事例が過去にありました。民間機も自衛隊機も過去に同じ間違いをしています。
着陸して滑走中の航空機と管制官の指示を勘違いして滑走路に進入した航空機が接触し、航空事故になった例もあります。地上滑走、滑走路進入、離陸の許可、はそれぞれ別なのです。


                那覇空港