初めての海外旅行は平成５年12月で、行く先はモルジブ共和国だった。現在のように誰でも気軽に海外に行ける時代になる少し前で公務員だったので自由に海外旅行ができる身分ではなかった。保全上の許可が必要だったのだ。家内の方は私が公務員を定年になる前に友人達と何度も海外旅行に出かけていて羨ましかった。定年直前になり海外旅行の許可が下りやすくなったので、定年まで1ヶ月しかなかったが念願の海外ダイビングツアーを申し込んだ。急な計画だったので同行者は見つからず私一人で東急観光のモルジブダイビングツアーに申し込んだ。本当は海外ならどこでも良かったのだ。成田に着いて見ると、ツアーの参加者は私一人だった。当然添乗員はなし。シンガポールで数時間の待ち時間があったので町に出てみようかと思ったが暗くなったので空港内で時間を過ごした。モルジブのマレ空港に着いたのは真夜中だった。水中写真を撮ることが第一の目的だった。

着いた当初、海外旅行に慣れていないので過剰に警戒心が働き、チップを渡すのを忘れたりして恥をかいた。