cho-kai-san811のブログ

連れ合いを失った老人のたわごとです。心機一転何らかの生きがいを見つけて前向きに生きたいと思っています。

小松基地F-15戦闘機の航空事故調査結果

今年1月31日に空自小松基地で発生したF-15事故の航空事故調査結果が6月2日に発表になった。原因は、機体などあらゆる面から原因調査を行ったが特定できず、パイロットのバーティゴ(VERTIGO、空間識失調と表す)に可能性を求めたものと思われる。事故発生当初、ベテランパイロットが二人も搭乗しているのに、バーティゴはあり得ないと考えたが今もその考えは変わらない。
バーティゴは、自分の姿勢把握において錯覚に陥ることであり誰でも体験することができる。駅などで、列車に乗っているときに、隣の列車が動き出すと、隣の列車は停止したままで自分の列車が動き出したように感じることなど。航空機が雲中飛行中、パイロットは水平線が見えないので計器(姿勢指示器など)を参照して飛行する(実際は計器と外部からの情報を総合判断して飛行する)が、太陽が斜め上方にある場合など、動物的本能として太陽の方向が上であると錯覚しやすい。理屈では分かっていても身体が自然に動いてしまうのだ。これがバーティゴである。このような状況に陥った場合、パイロットは瞬時にバーティゴに陥ったことを自覚し、意志力で完全な計器飛行に移行しなければならない。複座機の場合、もう一人のパイロットにバーティゴに陥ったことを知らせる。私の場合、バーティゴに陥ると気持ちが悪くなった。計器を見ると航空機は水平直線飛行しているのに、自分の体感では左右どちらかに傾いて飛行しているように感じるからである。雲中飛行から脱して水平線が見えると、突如正常な感覚に戻るから不思議である。パニックが一番怖い。
今回の事故は、原因不明に近いので、空自としては証拠のない他の原因も含めて対策をとる必要があろう。